「関西のディズニーランド」と呼ばれた奈良ドリームランドは、2006年8月31日に37年の歴史に幕を下ろしました。本記事では、閉園の背景から現在の跡地利用まで詳しく解説します。
所在地 | 奈良県奈良市法蓮佐保山3丁目 |
最寄り駅 | 近鉄奈良線「学園前駅」 |
駅からのアクセス | 徒歩約20分、近鉄バス「ドリームランド」下車すぐ |
敷地面積 | 約26万平方メートル |
輝かしい歴史と全盛期
1969年3月23日、総工費15億円をかけてオープンした奈良ドリームランド。大観覧車やジェットコースター「シルバーアロー」など、当時最新のアトラクションを備え、1970年代には年間150万人もの来場者を集める人気テーマパークでした。
ウォーターシュートやモノレール、アドベンチャーボートといった人気アトラクションに加え、花火大会やイルミネーションなど、季節ごとの催しも好評を博していました。
閉園への道のり
しかし1990年代に入ると、開業から20年以上が経過し、施設の老朽化が目立ち始めます。メンテナンスコストは増加の一途をたどり、新規アトラクションへの投資も困難になっていきました。
決定的な転機となったのは、2001年のUSJオープンです。最新鋭の施設との競争に直面し、来場者数は急激に減少。閉園前には年間来場者数が30万人まで落ち込み、約2億円の赤字を抱える状況となりました。
最後の日
2006年8月31日、奈良ドリームランドは無料開放して最終営業日を迎えました。約5,000人の来場者が訪れ、フィナーレセレモニーと記念花火で37年の歴史に別れを告げました。従業員約130名は関連会社への転籍や希望退職という形で別れを告げることになりました。
跡地の現状と利用状況
閉園後、遊具や建物の撤去が進められ、2015年頃には更地化が完了しました。現在は奈良クラブ(サッカーチーム)の試合日駐車場として一部が利用されており、約500台を収容できる規模となっています。
跡地の約8割は未使用の状態が続いていますが、定期的な草刈りと管理が行われ、フェンスで適切に管理されています。
開発の可能性と課題
跡地は風致地区に指定されており、建築物の高さ制限(15m以下)や建ぺい率(40%以下)、緑地率(30%以上)などの厳しい規制があります。
このような制限の中で、現実的な開発案としては、サッカー専用スタジアムや総合運動公園、防災公園、医療・福祉施設などが検討されています。ただし、いずれの場合も環境アセスメントの実施や地域住民との合意形成が必要となります。
奈良市の重要な観光資源だった奈良ドリームランド。その跡地の活用方法について、地域活性化と環境保全の両立を目指した議論は現在も続いています。
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