店舗基本情報
企業データ
- 運営会社:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
- 本社:東京都渋谷区南平台町
- 創業:1983年
- 従業員数:約3,000名(2023年時点)
店舗状況(2024年3月時点)
- 全国店舗数:約1,100店舗
- 閉店店舗数:150店舗以上(2022年以降)
- 新規出店数:30店舗(蔦屋書店として)
- 改装店舗数:80店舗
閉店の具体的要因
1. デジタル配信サービスの台頭
映像配信サービスの影響
- Netflix:加入者2,300万人
- Amazonプライム:会員1,500万人
- Hulu:加入者500万人
- ディズニープラス:加入者800万人
音楽配信サービスの普及
- Spotify:ユーザー数900万人
- Apple Music:利用者600万人
- LINE MUSIC:会員数400万人
参考サイト:動画配信の国内市場規模は5,740億円(23年、前年比8.2%増)、2028年には7,371億円規模へ – GEM Standard
消費者行動の変化
世代別メディア消費傾向
- 10-20代:95%がストリーミング主体
- 30-40代:70%がストリーミング併用
- 50代以上:40%が従来型メディア継続
デバイス保有状況
- スマートフォン保有率:85.8%
- タブレット保有率:45.4%
- DVDプレーヤー保有率:35.2%(前年比-8.9%)
経営環境の変化
収益構造の悪化
- レンタル売上:前年比-30%
- DVD・CD販売:前年比-45%
- 店舗運営コスト:前年比+15%
固定費の上昇
- 人件費:最低賃金上昇による影響
- 賃料:立地条件による負担
- 在庫管理コスト:効率化の限界
事業転換戦略
蔦屋書店への業態転換
新規事業モデル
- 書籍販売とカフェの複合型
- 滞在型店舗設計
- 文化発信拠点化
投資計画
- 改装投資:1店舗あたり約2億円
- 新規出店:1店舗あたり約5億円
- システム投資:年間50億円
デジタル戦略
オンラインサービス
- TSUTAYA DISCAS
- TSUTAYA TV
- Tカード(デジタル化)
EC展開
- オンライン書店
- 専門商材のネット販売
- 電子書籍サービス
地域への影響と対応
雇用対応
- 正社員:配置転換
- パート・アルバイト:新業態での継続雇用
- 新規採用:デジタル人材の強化
地域コミュニティ
- イベントスペースの提供
- 文化活動の支援
- 地域連携プログラム
今後の展開計画
短期計画(1-2年)
- 不採算店舗の整理
- 既存店舗の業態転換
- デジタルサービスの拡充
中期計画(3-5年)
- 新規事業の展開
- 海外展開の検討
- 技術投資の強化
長期ビジョン
- 文化創造企業への転換
- 地域価値創造の拠点化
- サステナブルな事業モデルの確立
まとめ
TSUTAYAの事業転換は、以下の3つの要素を軸に進められています:
- デジタルトランスフォーメーション
- オンラインサービスの強化
- 顧客データの活用
- 新技術の導入
- 実店舗の価値再定義
- 滞在型施設への転換
- 文化発信拠点としての機能
- 地域コミュニティの中核として
- 持続可能な経営モデルの構築
- 収益構造の多様化
- コスト構造の最適化
- 新規事業への投資
この転換期を乗り越え、TSUTAYAは単なるレンタルショップから、新しい価値を創造する文化企業への進化を目指しています。
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